私は世界から切り離されてしまった。
ある男に捕まってしまったのが全ての終わりだった。
男の言葉が甦る。
『そんな風に見ないでよ』
『口汚い言葉は聞きたくないし、君には似合わないよ』
『僕の声が聞こえないの?』
その言葉と共に、
私は世界から遠ざかっていった。
何よりも恐ろしかったのは食事だ。
その食事を、
【食材】を用意される度に、
私は動けなくなるのだから。
今はどうやら私は保護されたらしい。
だが、こんな孤独といえる世界で、
現実で、助かったなんて思えない。
【解説】
語り手は『ある男』に目と口と耳を潰され、
さらに手足を切り取られて、
それを食べさせられていた。
助けてもらうことはできたけれども、
失ったものは帰ってこないため、
助かったと思うことができない語り手。
こんな悲惨なことをされたら
絶望しかない…