「カツン…カツン…カツン………あ……」
「ポチャン……」
森で木材調達をしていたキノコくんはうっかり斧を、
池に落としてしまいました。
すると…………
「ポワーン…」
「私はこの池の精霊です。
あなたが落としたのは、
この銀の斧ですか?それともこの金の斧ですか?」
キノコくんは戸惑いました。
ですが…
キノコ「いえ!!!
僕が落としたのはちょっと錆びてる古い斧です!!!!」
正直に答えたキノコくん。
すると精霊は、
「あなたは正直ですね。
お礼にこの金と銀の斧を差し上げましょう。」
キノコくんはさっそく銀の斧を使いました。
「な、なんて切れ味だ…半端ねぇなこれ!!!!」
そして金の斧は……
「切れ味はいいが重たすぎる……
質屋にでも持って行こう」
そうしてキノコくんは森を抜け、
帰っていきました。
その様子を偶然目撃してしまった友達の毒キノコくんは、
毒キノコ「あ、あの池にそんなやつがいたなんて……」
あまりにも興奮してしまった毒キノコくん。
自分も斧を持ってきて、
思いっきり池に投げ込みました。
ですが…
いくら待っても精霊は現れてはくれません。
毒キノコ「なんだよ!!!差別かよ!?おい!!」
ふてくされて毒キノコくんは帰りました。
お金持ちになったキノコくん。
街で毒キノコくんに会いました。
キノコ「やぁ毒キノコくん。
よければ今日飲みに行かないか?
俺のおごりで!!!ドヤッ」
毒キノコ「え~ムカつくけど行きます」
こうして2人は楽しく過ごしたとさ、
めでたしめでたし。
【解説】
羨ましがって毒キノコくんが思いっきり投げた斧は
運悪く、精霊の頭に刺さってしまい、精霊は死んでしまった。
そのため、
毒キノコくんは精霊は現れなかった。
血の色に染まらなかったのは、
池が汚かったから気づかなかったのかもしれない。
精霊が池の中にいることにも気づかなかったわけだし。
そんな汚い池の中にいると思うと、
精霊が不憫である…。
斧が頭に刺さって死んじゃったけど…