喉が痛い…
それに、
左半身にズキズキとまんべんなく鈍い痛みがはしり、
右目を閉じると、闇が広がる…
(どうなっているんだ…?)
そう思い、近くにあった鏡を覗く。
そこには左肩の肉は削ぎ落とされ、
左目は抉られ、左半身だけ皮膚が焼き爛れている、
俺ではない誰かがいた…
「!!?」
目を覚ますと、
そこはいつも通り、
自分が寝ている和室だった。
腹の辺りに重みを感じ、目を向けると、
弟が俺の腹を枕にしてスヤスヤ寝てやがった…
それを少し乱暴にどかして、
近くに置いてある自分の携帯を取り、開くと、
8月13日(月)23:12
喉が渇いていたので、
近くで寝てる母親を跨いで、台所へ行った。
冷蔵庫の麦茶を飲み、
和室に戻った。
それにしても、
さっきから肩が鈍く痛む。
携帯を弄りながら、回してみる。
【解説】
地域によって違いはあるが、
8月13日は盆入り。
お盆はご先祖様が帰ってくると言われており、
心霊現象もこの時期に起きることが多いとか。
語り手には帰ってきた霊がとりついたのだろう。
焼き爛れ、ひどい痛みの中死んでいった人の霊が…