『ブーーン』
うるさい羽音で、俺は眠りから覚めた。
窓を開けていたから、
蚊が入ってきたのだろう。
せっかく人が気持ち良く昼寝してたのに……
目を瞑って放っていると、
羽音の主はしばらく部屋をブンブン飛び回った後、
俺の首筋に止まった。
やけにデカい蚊だな。
昼寝の邪魔をしてくれた礼に、
きっちり潰してやろう。
バシッ
『チクッ』
いてっ。
針が刺さったかな?
ん……急に眠気が……
もう一眠りするか……
【解説】
語り手は蚊だと思っていたが、
実際には蜂だった。
急に眠気が来たのは、
そのまま死んでしまうからかもしれない…
蜂が飛んでいる音って聞いているだけで恐ろしいから、
語り手のようにあまり気にしなくなりたいものである…