【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】アユちゃん

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私は現在18歳。

 

10年前、
家に遊びに来たアユちゃんはぬいぐるみを忘れていった。

 

そしてそのまま行方不明になった。

 

私のベッドの下から
アユちゃんのぬいぐるみが出てきたのは
1ヶ月もたってからだった。

 

以来、形見として部屋にずっと置いてある。

 


「蛍お姉ちゃん!」

 

居間から声がした。

 

ああ、真衣ちゃんきたんだ。

 

お盆の墓参り行かないと。

 

真衣ちゃんももう8歳か…

 


一応、アユちゃんのお墓もあるのだが
手を合わせる気にはなれない。

 

まだどこかで生きていると信じたいから。

 


「蛍お姉ちゃん、このぬいぐるみ古いね」

 

親戚一同は居間で雑魚寝。

 

真衣ちゃんは私の部屋にお泊まり。

 

「私の親友の置き土産だよ」

 

しばらくぬいぐるみをいじっていた真衣ちゃんは、
疲れたのか、布団に入った。

 

私も電気を消して目を閉じた。

 


懐かしい夢だ。

 

アユちゃんが笑ってる。

 

私が知ってるアユちゃんは8歳のままだ。

 

アユちゃんの両親は引っ越してしまった。

 

我が子を失ったこの町には居られないと言って。

 


そこで目が覚めた。

 

時計を見ると日付をまたいでいた。

 

墓参りに行った次の日はアユちゃんが居なくなった日。

 


その時、
もぞもぞと真衣ちゃんが立ち上がった。

 

トイレかな。

 

……!

 

目が異様に光っている。

 

「帰らなきゃ…お父さんとお母さん心配してる」

 

「え?真衣ちゃん寝ぼけてるの?」

 

「帰らなきゃ…帰らなきゃ」

 

「真衣ちゃん!!」

 

平屋のうちは縁側の庭からすぐ道路に出られる。

 

真衣ちゃんは裸足で駆けて行く。

 

親を起こしている暇はなかった。

 

よろけながら真衣ちゃんを追う。

 

一体どうしたのだろう。

 

「ちょっとまって…この方向は、」

 

明らかにアユちゃん家の方角だ。

 

まさか、真衣ちゃんがしってるハズがない。

 

恐怖のどん底に落とされた気分だ。

 

「真衣ちゃん!!」

 

ようやく捕まえた。

 

「ほら帰ろう!」

 

ゆっくり振り向いたその顔は、
アユちゃんだった。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真衣ちゃんが

アユちゃんになってしまった。

 

真衣ちゃんがアユちゃんの生まれ変わりで、

ぬいぐるみに触ったことで記憶を取り戻したのか、

 

それとも、ぬいぐるみにアユちゃんの魂が入っていて、

真衣ちゃんがぬいぐるみに触ったことで

アユちゃんに憑かれてしまったのか…

 

アユちゃんは行方不明になってしまったのだから、

ぬいぐるみと同一化していたのかもしれない。

 

アユちゃんは体を取り戻し、

これからどうしていくのだろうか?