【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】衛星にて

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『なー、この際だからハッキリ言うけどさ』

 

「何?」

 

『宇宙服ってめんどくね?』

 

「は?」

 

『重いしかさ張るし』

 

「はぁ」

 

『無くしたいと思わね?』

 

「思わない」

 

『何それ冷たい』

 

「冷静に考えろ」

 

『何を?』

 

「死ぬぞ」

 

『いや、それはさ、何か他のもので代用して』

 

「他のものって?」

 

『それを今考えてんだって!』

 

「はぁ」

 

『つれねーなーもう』

 

「……」

 

『いいよもう、俺一人で考える』

 

「……頑張れ」

 

『……』

 

「……」

 

『ぱぱららっぱらー!』

 

「どうした?」

 

『常温個体酸素ー!』

 

「何だそれは?」

 

『常温で個体の酸素』

 

「まんまだな」

 

『うむ。わかりやすくていいじゃないか。

JouonーKotaiーSanso略してJKSだ』

 

「はぁ」

 

『説明しよう!

このJKS錠剤を一粒摂取すると

二時間酸素をとらずに生活できるのだ!』

 

「ほぅ」

 

『勿論二酸化炭素は吐かなければいけないがな』

 

「ふむ……」

 

『これで宇宙服なしで外に出られるぞ!』

 

「馬鹿か」

 

『馬鹿とはなんだ馬鹿とは!』

 

「絶対死ぬぞ」

 

『何故だ!JKS錠剤は完璧だぞ』

 

「放射線はどうすんだ」

 

『放射線?』

 

「宇宙を飛び回っている放射線はどうするんだ」

 

『……そんなのあるのか?』

 

「お前よく宇宙飛行士の免許とれたな」

 

『えへへ』

 

「誉めてねぇよ。

まぁ、宇宙服なしで外に出たいなら放射線をなんとかしろ」

 

『へーい』

 

「返事は『はい』だ!」

 

『……はい』

 

「……」

 

『ぱぱららっぱらー!』

 

「早いな」

 

『放射線バリア!』

 

「略して?」

 

『HB!』

 

「だと思ったよ」

 

『説明しよう!

このHB錠剤を一粒摂取すれば、

二時間放射線から身を守ることが出来る!』

 

「凄いな」

 

『よし!これで宇宙に行くぞ!』

 

「待て」

 

『何?まだ何かあるのか?』

 

「スペースデブリだ」

 

『何て?』

 

「スペースデブリだ」

 

『……デブがどうした?』

 

「デブじゃない。スペースデブリだ」

 

『すげぇデブリンちょ?』

 

「確信犯だろお前」

 

『……で、なんだそのスペースデブリってのは』

 

「宇宙塵だよ」

 

『宇宙人?』

 

「宇宙塵だ。宇宙にチリと書いて宇宙塵。いわゆるゴミだ」

 

『ゴミなら怖くねぇだろ?』

 

「隕石の欠片、壊れた人工衛星の欠片が高速で飛び交っている」

 

『あたるとどうなる?』

 

「マシンガンでめった撃ちされたみたいになる」

 

『ぎゃあああああ!』

 

「だから死ぬ」

 

『いいよ作りゃいいんだろ』

 

「頑張れ」

 

『……』

 

「……」

 

『ぱぱららっぱらー!』

 

「出来たか?」

 

『宇宙塵隔離シールド!!』

 

「略してUJKS?」

 

『甘いな!SDKSだ!』

 

「なんだそれ?」

 

『SpaceーDebrisーKakuriーShieldの略だ!』

 

「Kakuriだけ残念」

 

『説明しよう!

SDKS錠剤を一粒摂取すれば、

二時間半径三メートルにあるスペースデブリを隔離するのだ!』

 

「おー」

 

『これで言うことないだろ!』

 

「あぁ」

 

『よっしゃあ!JKS錠剤!HB錠剤!SDKS錠剤摂取完了!』

 

「行ってらっしゃい」

 

『行ってきます!』

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真空状態だと気圧がないため、

生身の状態では体内にある空気が膨張し、

いずれ破裂してしまったり、

血液中の水分が沸騰してしまったりする。

 

いずれにせよ、

錠剤としてはものすごいものなのだが…

この話の対策だけでは不十分。

 

なので、

きっと死んでしまうだろう…