俺は自殺を決意した。
田舎から一攫千金を狙い上京してきたものの……
今抱えている借金は
到底返せるような金額じゃない。
もう死ぬしかないか。
ドアや窓、通気孔など
穴という穴を全てふさいだ。
キッチンのガス栓を全開にし、
睡眠薬を飲んで横になった。
朝になった。
……死んでない!?
俺は生きている!
久しぶりに希望を感じた。
神様が助けてくれたんだ。
何とかなる。
そんな気がした。
俺は今日という日を生きるため、
布団から起き上がり電気をつけた。
【解説】
語り手は
部屋にガスが充満していたにもかかわらず、
電気をつけてしまい火花で引火し、
爆発してしまった。
ちなみになぜ語り手が生きているのか?
神様が助けてくれたのか?
そんなことはなく、
単純に都市ガスでは死ねないから。