ぼくのぱぱは
えをかくのが
とってもじょうず。
いろんな人が
ばぱのとこにくる。
えをかくぱぱは
とってもしんけんで、
ちょっとでもまちがえちゃったら
なおせないんだって！
しょうがっこうにはいって
はじめてのなつやすみ。
さいきんすっごくせなかがいたい。
ぼくがねてるあいだ
ぱぱのえがちょっとずつふえてる。
せなかがいたい。
こないだ40どちかい
おねつがでたの。
でもびょういんはだめだから
ちゅうしゃしなくてラッキーだった！
おねつさがったから
プールにいきたくて
ぱぱにたのんでみた！
『ねえ、ぱぱ！ぼくプールに行きたいな！』
『だめだめ、断られちゃうから』
それから僕は
大人になってもプールに入れなかった。
【解説】
パパは刺繍職人。
子供にも刺繍を彫っていたため、
大人にになってもプールに入れなかった。
子供が「せなかにぱぱのえをかいて！」と
お願いしたのならまだしも
寝ている間に刺繍を彫っているみたいだから、
子供は勝手にやられていたのだろう。
それにしても、
学校のプールはどうしたのだろうか？
「近々学校でプールあるの！」
と言われても水着も買ってもらえず、
「見学してなさい」
とでも言われていたのだろうか。
知らない間に刺繍を彫られていて、
その結果、プールだけでなく、
温泉にも銭湯にも行けないとなると
なんとも可愛そうである…
