【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】おはなばたけ

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「ももちゃんねー、
きれいなおはながいっぱいさいてる
おはなばたけにいったんだよ!」

 

「でもね、おはなばたけにいた
しらないおとこのひとに
『まだこっちにきたらだめだ』っておこられたから
ももちゃんおうちにかえってきたのー」

 

もうすぐ3歳になる娘、
桃花が無邪気に話す。

 

「ももちゃん、もっとおはなばたけであそびたかったなー。
こんどはパパとママもいっしょにいこうね!」

 


「いらっしゃい。
よく来たね、ももちゃん!
すっかり大きくなったねぇ」

 

「おばーちゃん!ただいまー!」


8月12日

 

数年振りに夫の実家を訪れた私たち3人を出迎えてくれたのは
義母だった。

 

前回来たのは確か、
桃花の1歳のお祝いの時だっけ。

 


義母は夫を亡くしてから25年。

 

ずっと一人暮らしをしているが、
60歳を過ぎた今でも病気一つせず、
元気に家の事や農作業をこなしている。

 

「桃花、おじいちゃんにもただいま言いに行こう」

 

「うんっ!」

 

この家を訪れて一番最初にするのは
義父の仏前に手を合わせる事。

 

私たち3人は仏壇のある仏間に向かった。

 


「ほら、桃花。ちゃんとお座りして」

 

「桃花?どうしたの?」

 

仏壇の前に座る私たち。

 

……だったが、
桃花だけはなかなか座らない。

 

それどころか、
立ったままある一点を見つめている。

 

「桃花、どうしたの?」

 

「あのね、ももちゃん、このひとにあったことあるよ」

 

あの人、と指を差したのは義父の遺影。

 

勿論、25年前に亡くなった義父に、
3歳の桃花が会ったことはない。

 

「何を言ってるんだ桃花、おじいちゃんはね、
パパが子どもの時に天国に行っちゃったんだよ。
だから桃花は会えないんだよ?」

 

「ほんとだもん!ももちゃんあったことあるもん!

おはなばたけでこのひとにおこられたもん!」

 


信じてもらえてないと思ったのか不貞腐れる桃花の横で、
私たち夫婦は顔を見合わせた。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お花畑=あの世

 

ももちゃんは病気か事故か

何が原因かわからないが、

一度死にかけていた。

 

その死にかけていた時に

お花畑(あの世)に行っていたももちゃんだが、

すでに死んでいたおじいちゃんに追い返されたため、

ももちゃんが死ぬことはなかった。

 

 

おじいちゃんとしては

孫に会えたことが嬉しく、

できればずっと一緒にいたかったはず。

 

その想いを内に秘めながら

「まだ生きてほしい」という想いで

怒って追い返した。

 

きっとおじいちゃんはこれからも

あの世でももちゃんのことを

見守っているだろう。