【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】回帰

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「ただいま」

 

実家の玄関を開けながら、
私は力無い声で挨拶した。

 

かれこれ二年近くこの家を離れ、
ずっと都会で一人暮らしをしていた私にとっては、
久し振りの家族との再会である。

 

けれど、
両親と半ば喧嘩別れするような形でここを飛び出したので、
ずっと連絡も取っていなかった。

 

もちろん今日こうして突然戻って来る事も伝えていない。

 

私の味方をしてくれていた弟も、
ある日を境にメールどころか電話さえも繋がらなくなっていた。

 

玄関口でふと足元に目を向けると、
父の革靴と母のヒールが並んでいた。

 

なんだ、二人とも家に居るじゃない。

 

まだ私が家出した事を怒っているのだろうか……

 

今日こそは面と向き合って謝らないとな……

 

靴を脱ぐのに、
姿勢を支えるため手を置いた靴箱には、
かなり埃が積もっていた。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連絡が取れなくなった弟の靴がなく、

父母の靴がある。

 

つまり、

家には父母は外に出ていない。

 

靴箱に積もった埃からすると

父母はすでに亡くなっているだろう。

 

犯人は連絡が取れなくなった弟。

 

すでに捕まったのか

それともまだ逃げているのかはわからない。

 

 

語り手が喧嘩をして家を飛び出したことに怒りを感じ

その怒りが頂点まで達した犯行だったりするのだろうか。

 

それだったら、

語り手を間違った形で想ってしまった

悲しい事件である…