六人の男女が集められた。
お互いに認識のない彼ら彼女ら。
目が覚めた時には巨大な秤(はかり)に乗せられていた。
三人が右側に、三人が左側の秤に。
秤の下は鮫が泳ぐ水槽が。
秤の上は外に繋がるロープが。
六人は各々考えた。
そして、考えの早かった者が行動を起こした。
生きて出られたのは二人だけだった。
【解説】
両方の秤には三人ずつ乗っており、
重さが釣り合っている。
下に下がってしまえば鮫の餌食となり、
上に上がればロープで脱出することができる。
つまり、片方の秤が軽くなれば
軽くなった方の秤にいた人は上に上がってロープで脱出することができ、
反対側にいた人たちは水槽に落ちて鮫の餌食になってしまう。
秤を軽くするためにはどうすればいいか?
それは、乗っている一人を
秤から突き落とせばいい。
結果、反対側の秤にいた三人は鮫の餌食となり、
軽くなった秤に乗っていた二人は脱出できた。
助かった二人の内の一人は
四人を殺した罪で裁かれ、
もう一人は四人を見殺しにした罪を背負った、
という後日談。
自分がこの立場になったらどうするだろうか?
と考えてしまったが、
おそらくわけがわからずパニックで
何もできずに終わるだろう。
というか、高いところが苦手なので、
足がガクガクして
そのまま勝手に落ちてしまいそうである。
仮に秤が上がってロープにたどり着いたとしても
高いところが怖すぎて上がることができず、
どちらにせよ生き残ることができないだろう、
なんて想像をしてしまった自分が怖い。