【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】余命

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一人部屋の病室の窓からは、
中庭の青葉を茂らせる大樹と入道雲が見える。

 

『あなたの余命は残り一年です』

 

そう医師に宣告され、300と60日が経った。

 

もはや歩くどころか、

上体を起こすこともできない。

 

いよいよ死期が近いようだ。

 

遺書はすでに書き終え、

やるべきことは全てやった。

 

悔いは残していない。

 

けれど最期にもう一度だけ、

あの木の紅葉を見たかったな……

 

私は静かに瞼を閉じた……

 


目を開けると、そこは病室だった。

 

身体を起こし、立ち上がる。

 

まるで若返ったかのように、身体が軽い。

 

窓辺に寄り、外を見ると、

そこには見事に紅葉した大樹が立っていた。

 

これは夢か、幻か……

 

頬をつねってみると、痛みを感じた。

 

私は確かに生きていた。

 

沸き上がる感動を抑え、

病室を振り返り、ふと気付いた。

 

私はいつの間に相部屋に移されたのだろうか。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脳死移植の話。

 

語り手の健康な臓器を移植したことで、

手術を受けた人の身体で

語り手の人格が現れた。

 

 

移植によって、

元の持ち主の癖が表れたりするみたいだし、

人の体って奥が深い。