『ドッペルゲンガー』というものをご存知でしょうか?
自分と全く同じ容姿・背格好・服装で、本人にしか見えない存在。
それを見た人間は、死期が近いことを意味するらしいのです。
ある日のこと、
街角で俺はとうとう『あいつ』を見つけてしまった。
後ろからで顔は確認出来なかったが、
俺と同じ服装に同じ後ろ姿。
普通背後からの外見なら見間違いも起こりえるだろうが、
俺は奴がそうなのだと確信した。
『あいつ』は俺の名前を語っているのだろうか。
『あいつ』は俺の記憶を持っているのだろうか。
『あいつ』は俺に無い繋がりがあるのだろうか。
俺は『あいつ』を追い掛けることにした。
【解説】
語り手がドッペルゲンガー。
実際自分のドッペルゲンガーを見かけたとしても、
自分だと思うことはほぼなさそう。
そこまで人の顔を見て歩いているわけでもないから。
しかし、直感的に気付くものなのだろうか?
直感的に気付いたら、
自分とすべて同じなのかどうか、
気になるかもしれない。