今、俺は親父と病院の屋上に来ている。
ついさっき母さんを苦しみから救ったばかりだ。
親父は泣いている。
まったく、親父は泣き虫だな。
さあ、そろそろいくか。
俺は親父の手をとった。
母さん、今いくよ。
……ドンッ。
【解説】
母は病に苦しんでいる姿に耐えられず、
母を殺すことにした。
そのため父は泣き、
母の元へと旅立つために
二人は屋上から飛び降りた。
最後の『ドンッ』は
地面に叩きつけられる音。
他の見方としては、
語り手が名医となり、
母の苦しみを取り除いた。
それにより、父は嬉し涙を流した。
最後の『ドンッ』はドアを閉めた音。
内容は正反対だけれども
どちらにも家族愛を感じるお話。