漂流している船上での会話
王子「ああ、腹が減ったな。
お前の立派な右腕が食べたい」
水夫「ダメですよこれは…」
王子「もし、食べさせてくれるなら、
国に帰ってから金銀宝石を沢山与えるぞ」
水夫「なら、どうぞ」
…何日か後
王子「ああ、また腹が減った。
お前の太い左足が食べたい」
水夫「もう流石にダメですよ…」
王子「もし食べさせてくれるなら、
お前に最高の名誉を与える」
水夫「仕方ありませんね…これが最後ですよ」
…何日か後
王子「また腹が減ったぞ…」
水夫「もうダメですよ!何もあげません!」
王子「ほう。しかし、いくらお前でも、
片手と片足じゃ私に勝てないと思うが…」
【解説】
水夫は最後は力尽くで
王子に食べられてしまった。
『国に帰ってから金銀宝石を沢山与えるぞ』
『なら、どうぞ』
なんてやり取りはものすごく軽いなぁ…。
そんな気軽に右腕を食べられたくないのだが…。
王子がいるということは
階級社会だろうし、
今とは違った価値観もあるのだろう。