私の妻である由梨は
重い病気による窒息の危険があるため入院している。
それが原因で
私は精神的不安定に陥ってしまった。
そんなときに出会い
支えてくれたのは舞だった。
妻が入院して二週間ほど経った日
私は舞と関係を持ってしまった。
つまり、浮気だ。
それからはというと
私は仕事が忙しくなったと嘘をついて
見舞いに行くことさえ少なくなった。
入院して二ヶ月がたった時。
病院に向かったが病室に妻はおらず
代わりに少し異臭がし、床が濡れていた。
何かあったのか…？
すると、医師が入ってきた。
「由梨さんは今朝、
窒息でお亡くなりになられました」
え…？どうして急に…
「それとこれは
由梨さんの机にあったものです」
そう言われて
渡されたのは一つの封筒。
封筒には「舞さんへ」と書かれていた。
そして中には
黄色・緑色・桃色・白色・鼠色の
五色で作られたミサンガ。
こんな私のために
余っていた糸で
作ってくれていたのか…
【解説】
【黄色・緑色・桃色・白色・鼠色』
の五色で
「きみもしね」
というメッセージが込められている。
『窒息でお亡くなりになられました』
と言っているが、
実際には首吊りによる自殺。
だから、
『少し異臭がし、床が濡れていた』
公にしたくない病院側は
窒息死ということにした。
語り手が舞と出会ったのは妻が入院した後。
にも関わらず名前を知っているということは
舞が直接会いに来たのだろう。
つまり、女同士の闘いがあったのだろう…。
