真っ赤な薔薇が一つ、二つ、三つ、四つ。
五つ目はどこだろう。
早く早く、探さなくちゃ。
彼女は夜の道を一人歌いながらふらふらと歩いていた。
通行人がたまに通るだけの寂れた道を。
手に持った物は一つだけ。
キラリと反射する物だけだ。
次の日、その道で死体が一体発見された。
噂によればその死体は
真っ赤な花のように血が飛び散っていたとのことだ。
【解説】
『彼女』は通り魔で
『キラリと反射する物』は刃物。
被害者の『真っ赤な花のような血』が『真っ赤な薔薇』。
5回目の犯行のようだが、
『五つ目はどこだろう』
『早く早く、探さなくちゃ』
と犯行を無理矢理にでも行わなくてはいけない雰囲気を感じる。
彼女は一体何を背負っていたのだろうか?
そこが気になるところである。