僕は中2の男の子。
見た目？普通だよ。いたって普通。
頭はまあまあ。クラスで中間かな？
とにかく僕は普通の人間。
僕＝普通
そんな僕には友達がいない。
いや、一応友達は出来るんだ。
簡単に言うと、
友達は出来るんだけどすぐに離れて行ってしまうんだ。
昨日だって悟君と友達になって、
僕の家に悟君をよんで遊んだんだよ？
なのに今日になって急に僕を避けるようになったんだ。
理由を聞こうと近寄ると、
おびえた目で僕を見ながら去っていく。
悟君だけじゃない。
前に僕の家によんだ友達は皆、
次の日にはこんな態度になるんだ。
僕が何をしたっていうんだ？
まったく検討がつかない。
昨日は楽しく僕の家でゲームをして、
ママの作ったお菓子を2人で食べただけだ。
悟君は美味しいって食べてくれたじゃないか。
放課後、校庭に悟君を含み
男子が数人サッカーをしていた。
僕は、
こんな扱いの理由を聞こうと
悟君達に近づいた。
僕に気づいた悟君達は逃げ出そうとしたから、
僕は
「待って！」
と大声で呼び止めた。
さすがに悟君達は止まってくれた。
僕は悟君になんで避けるのか聞いてみた。
悟君はまるでオバケでも見るような目で僕を見るとこう言った。
「お前、嘘ついてたのか」
？？？
僕はまったくなんの事か分からなかった。
悟君に嘘なんてついてない。
「何の事？僕は嘘なんてついてないよ!?」
「…じゃあ昨日お前誰と話してたんだ？」
「え、昨日？
誰とって意味分かんない」
「だから！
昨日俺がお前の家に遊びに行った時！
お前、あの日は家にお前と俺だけだったよな！」
「は？何言ってるの？
昨日は僕と悟君とママの3人だよ。
昨日お菓子を食べたろ？
あれ、ママが作ってくれたんだよ？」
僕がそう言うと
悟君や周りの人達は青冷めた顔になった。
そして悟君はこう言った。
「お前のお母さん、
一年前に事故で死んだんだろ？」
【解説】
お母さんはすでに死んでいたわけだけど、
では、お菓子は一体誰が作ったのだろうか？
悟君も実際に食べておいしいと言っている。
お母さんは実際に死んでいるのに
語り手がお母さんと一緒にいたと主張。
それだけでも怖いが、
死んだはずのお母さんが作ったお菓子を食べてしまったことを考えると、
背筋がゾッとしてしまう。
一体何を食べさせられたんだろうか…？
