ある家の夕食。
妻「今日の晩ごはんは、
前から貴方が食べたいって言ってたナッツと野菜の炒め物よ!
料理本にたまたま載ってたから作ってみたの!」
夫「お、やっと作ってくれたか!
ずっと言ってたもんな~♪
……まぁまずは着替えてくるね」
夫は着替えから戻り、テーブルに着いた。
夫「どれどれ………ん~、なんかイマイチだなぁ~…ナッツは何を入れたの?」
妻「使ったのはピスタチオ、ピーナッツ、カシューナッツよ?
おいしくない?おかしいな、レシピ通りに作ったのに…」
夫は首をかしげ、ポケットに手を入れた。
夫「味付けは?ちょっとレシピ見せてよ」
妻「台所だから取ってくるわ」
夫「じゃ、ついでにビールもお願いしていい?」
妻「は~い♪」
妻が台所へ料理本を取りに行き、
ビールも用意して戻って来た。
夫はビールを飲みながら料理本を見た。
夫「ん~…原因がわからんなぁ…
ちょっと食べてみ?」
妻「味見はしたんだけどね…」
そう言って妻は一口食べた。
妻「何よ、おいしいじゃな……!!!」
妻は死んだ。
口からアーモンド臭を漂わせて…。
【解説】
夫が
『ナッツと野菜の炒め物』
を食べたいと伝えていたみたいだが、
その理由は妻に毒を飲ませたかったため。
『口からアーモンド臭を漂わせて』
からもマンガやドラマでよくある青酸カリ。
『……まぁまずは着替えてくるね』
という『…』の部分は、
これでようやく青酸カリを飲ませることができると考えたからであり、
着替えよりも隠していた青酸カリを取ってくるのが目的だった。
『ポケットに手を入れた』
はポケットに忍ばせていた毒物を
少しでも早く取り出すため。
レシピついでにビールも頼んだのは毒物を入れるための時間稼ぎだった。
ということで、青酸カリを口にした妻は死んでしまった。
ちなみに、青酸カリの「アーモンド臭」は
収穫前のアーモンドの臭いであり、
日常で嗅ぐようなアーモンド臭とは異なるもののようだ。
とはいえ、
日常で嗅ぐような臭いでもないし、
収穫前のアーモンド臭がしたからどうなの?という話。
『ちょっと食べてみ?』
と言われた時に気にするほどの臭いではなかったため、
妻は普通に食べてしまったのだろう。
青酸カリ…
なんだかんだで気になる臭いではあるが、
一生嗅ぐことはないだろう。
いや、無い方が嬉しいのだが…。