このごろ雲一つ無い晴天が続いていた。
正直もう夏に入ったから暑くて大好きな体育もヤル気がでないので曇ってほしい。
そんなとき窓際に席があるAが友達に話をしていた。
彼には弟がいてよく暴力をふるっているらしい。
Aは弟の部屋に南京錠をかけていてモロ監禁状態らしい。
そのことをまるで武勇伝かのように話している。
正直まわりにいるみんなもうっとおしがっていたが、
弟をサンドバッグ代わりにしているためか
喧嘩が強いので誰も口答え出来なかった。
次の日、
彼がアザだらけになって学校にやってきた。
どうやらあの武勇伝が上級生に伝わり、
袋叩きにあったそうだ。
さすがに心配して話しかけると彼は笑いながら
「ああ、全然大丈夫。心配しなくてもいいよ」
と言っていた。
僕も
「本当か?良かったよ。
お前がいないとサッカー負けちゃうからな」
といつものように話していた。
するとAは言った。
「今日は、雲一つ無い青空だな…」
【解説】
アザだらけになって学校にやってきたAは
監禁状態だった弟のほう。
だから、
『このごろ雲一つ無い晴天が続いていた』
にも関わらず、最後に
『今日は、雲一つ無い青空だな…』
と言っている。
『お前がいないとサッカー負けちゃうからな』
来たのが弟であれば、
サッカーは負けてしまうのだろうな、
なんて思ってしまったり。
弟もサッカーが上手いのだろうか…?