僕は田舎のショッピングモールで清掃のバイトをしていた
普段は同い年のAくんと二人で清掃をしていた
Aくんはいつも携帯をいじっているかエスカレーターを
逆走して警報を鳴らして遊んでる
もう注意するのもめんどくさい
いったい何がしたいんだ
そうおもっていた
ある日いつものように僕は清掃していた
ショッピングモールは二階建てで地下はない
二階が僕の清掃場
一階がAくんの清掃場
Aくんはのぼりのエスカレーターのしたを清掃することになっていた
しかし
誰かと電話しているのか
大声で笑ってた
まったく
仕事しろよと思っていると
エスカレーターの警報がなった?
次はエスカレーターで遊んでいるのか
と思っていた
しかしまだAくんの笑い声はきこえていた
まだ一階にいるのか
今度こそビシッといってやる
僕はエスカレーターで一階に下りて
Aくんのいるのぼりへ向かった
【解説】
一階のエスカレーターは
のぼりと下りが離れている。
そして、警報が鳴るのは逆走した時、
つまり、下りのエスカレーターをのぼろうとした時、
もしくは、のぼりのエスカレーターを下ろうとした時である。
しかし、Aくんはのぼりのエスカレーターの下にいたため、
逆走することはできない。
なので、
語り手とAくん以外に何者かがいたことになる。
目には見えない何者かが…。
それにしても、
Aくんのような人との仕事はものすごく疲れそうである。