俺が高校のときの話なんだが、
って今も高校生なんだがある日、
明日提出の課題を学校に忘れてきたことに気付いて、
一階にある教室に取りに行ったんだ。
もうかなり遅い時間だったから
先生もいなくて中に入れなかった。
テストの点が悪い俺は、
課題を一つでも提出し損ねるとかなりまずかった。
だから、とにかく必死で
どこか鍵を閉め忘れた窓がないか見てまわったんだ。
そしたら一階のトイレの窓が開いてたんだ。
そこから中に入って自分の教室まで行ったんだ。
俺はすごいビビリだったから、
教室に行くまででもうすでにオドオドしてた。
忘れ物を取ったらすぐにドアに向かった。
怖さで焦りまくってた俺は
引けば開くドアなのにずっと押し続けてた。
開かない!開かない!って焦り続けて
5分後くらいにやっと気付いたけど、
もう完全にパニックになってて、
猛ダッシュで階段を降りて外に出たんだ。
そこからも全力疾走で家に帰った。
家に帰ると
一目散に自分の部屋に入って布団をかぶった。
しばらくして落ち着いたら、
一眠りしてしまった。
ふと目が覚めて、
課題をやらないとと思ったけど
腹が減っていたからとりあえず何か食おうと思って部屋を出ると
ちょうど父が帰ってきた。
そうすると母は慌てて玄関に行った。
どうしたのかなと思っていると父が、
「○○(俺の名前)が帰ってこないって本当か!?」
なんて言い出した。
何を言ってるんだと思っていると母が、
「そうなの。学校に忘れ物を取りに行ったきり…」
何を言ってるんだ。
俺はここにいる。
両親に向かって
「ここにいるじゃないか!!」
といったが両親は何も言わなかった。
わけが分からなくなって部屋に戻って、
学校に忘れ物を取りに行ったときのことを思い出している途中で
俺は気付いてしまった。
もしかすると俺はもう…。
【解説】
教室が一階なのに階段を降りている。
そのため、語り手は別の世界に行ってしまったのか
もしくは死んでしまったのか…
どちらにせよ、両親は語り手のことが見えなくなっている。
語り手はこれからどうするんだろうか…。