男がランプを手に取ると、
なんと中から魔神が現れた。
魔神は男に向かってこう言った。
「ランプから解放してくれて、ありがとう。
貴方の為に3つだけ願い事を叶えて差し上げましょう。
更に、貴方の奥様には、その倍のお礼を差し上げます」
男は信じられない、といった表情だったが、
1つ目の願い事を言ってみることとした。
「では、今すぐここに現金で3億円用意してみろ」
「仰せのままに」
魔神が何やら呪文を唱えると、
男の目前に、3億円の札束が現れた。
男が吃驚していると、
妻から携帯が入り、
妻が叫んでいた。
「貴方、6億円のロトくじが当たったのよ!」
男は小躍りしながら、
2つ目の願い事を告げた。
「次はビルをくれ。
3階建ての屋上が自宅になってるやつがいい」
「仰せのままに」
魔神が再び呪文を唱え、
その場所へ男を連れていった。
また、妻から携帯が鳴った。
「あなた、今不動産屋から電話があって、
私名義のビルが貰えるんですって。
それも6階建てよ」
男は興奮を隠せないまま、
魔神に伝えた。
「これが3つ目の願い事だ。
聞き間違えないようによく聞いて欲しい…
いいか?
…私を半殺しにしてくれ!
キッカリ半分にだぞ!」
【解説】
半殺しの2倍ということで、
語り手の妻は死ぬことになるだろう。
財産が欲しかったのか、
元々死んで欲しいと思っていたのか…。
お金やビルが手に入ったこともきちんと報告してくれる
良い奥さんな気がするのだが。
ただ、
『聞き間違えないようによく聞いて欲しい…』
が願い事として受理されてしまったりしないのだろうか…?