僕には産まれたときから召し使いが沢山いる
毎日美味しいご飯を食べさせてくれるし、
頼んでも無いのに部屋の掃除もしてくれる。
パパもママも働いてなくて一円も給料を払っていないけど
召し使いは僕たちのために一生懸命尽くしてくれる。
外にはあまり出られないけど
僕の家には沢山の友達がいるから平気だ。
ある日、パパとママが
沢山の大人と一緒に旅行に行くと言ったんだ。
「僕も一緒に行く」
って言ったけど
結局パパとママは僕を置いて行っちゃった。
それから数年後、
立派な大人になった僕は遂に旅行に行くことになった。
パパとママにはあの日以来会って無いから
今日はとっても楽しみだ。
しばらくして召し使い達は僕らを乗り物に案内してくれた
「あ~早く出発しないかな~」
僕の願いが通じたのか
僕らを乗せたトラックはすぐに出発した。
【解説】
語り手は家畜。
何もしなくても生きていける生活しかしていなかったから、
全てプラスに捉えるようになっている?
その結果、楽しみにしていた旅行で
殺されてしまうわけだが…
でも、この語り手はすごい良い暮らしのように話しているけど、
他の家畜からしたら不満だらけだったりもするのだろうか…