最近仕事から家に帰るとなんだか違和感を感じる・・・
微妙に家具の位置が変わっている気がする。
それに引き出しとか誰かにあさられたような形跡がある。
もしや空き巣に入られている・・・?
家には金目の物は置いていないので
何も盗られたりはしていないみたいだが、
さすがに空き巣に入られるのはいい気はしない。
でも警察に
「空き巣に入られている気がするんです!」
なんて言っても
証拠がないんじゃ調べてもらえないだろうし・・・
そこで思い切って監視カメラを買ってみた。
最新式の超小型監視カメラである。
しかもこの監視カメラに映っている映像は
子機のビデオカメラにリアルタイムで映っていて、
録画することもできる。
俺は録画した映像を警察に渡せば
さすがに警察も動くだろうと思っていた。
翌日、俺は仕事中も
本当に空き巣に入られているかどうかが気になって
ずっと子機のビデオカメラばかり見ていた。
午前中は何事もなく時間だけが流れた。
おかしい・・・
やっぱり俺の思い過ごしだったか?
そう思っていると
何やら鍵をガチャガチャと開ける音が!
変な男がピッキングして家の中に入ってきたのだ。
やっぱり予想通り!
この映像を警察に引き渡せばこの男もおしまいだぜ!
しかし男は家に入るや否や
監視カメラに手を差し伸べた。
そこから全く映像が映らなくなったのだ。
俺はどうしたのだろうと思いながら家に帰ると
監視カメラが破壊されていた。
やられた!
これじゃいままでの映像が全部パーだ!
くそ!あの男!
絶対証拠映像とって警察に引き渡してやる!
そう思って、
今度は耐久性抜群の監視カメラを買った。
これで壊されることはないだろう。
そして先日と同じように子機のビデオカメラを見張っていると
先日と同じように男がピッキングして家に入ってきた。
手には金槌を持っている。
よし!今度こそこの映像を警察に・・・
と思っていると
男は監視カメラに向かって金槌を振り下ろし、
そこで映像が途切れた。
家に帰ると案の定監視カメラが壊されていた。
くそ!またか!
いったいどうやったら証拠映像をとることができるんだろう?
【解説】
一回目に侵入時、
男は家に入るとすぐに小型カメラを破壊した。
そして、二回目に進入時には、
耐久性のカメラを破壊するために金槌を持ってきていた。
一回目には小型カメラが設置されている場所を知り、
二回目には金槌を持ってきてすぐに耐久性抜群のカメラを壊していることから、
男は語り手の行動を知っていたことになる。
つまり、男は語り手の行動を監視していた。
となると、この部屋に
男の監視カメラがつけられている?
語り手は空き巣だと思っていたようだが、
実はストーカーだったようだ…