コンコン…
誰かいる?
コンコン…コンコン…
誰もいない?
コンコン…コンコン…コンコン…
一呼吸。
コン!!!コンッ!!!コンッッッッ!!!
「ひっ…!」
…なんだ…いたの?
あはははははは!
『昨夜未明、
○○県○○市に住んでいる△△××さんが、
○○県内の………で発見されました…
遺体には無数のアザがあり…顔がつぶれ…』
あはははははは!
きっともうすぐ…
あはははははは!
【解説】
『コンコン…』
これはノックの音ではなく、
五寸釘を打つ音。
つまり、呪いをかける
丑の刻参りをしているところであった。
丑の刻参りを誰かに見られると、
丑の刻参りを行っていた人に呪いが跳ね返ってくると言われているため、
『誰かいる?』
としきりに誰かいるかを気にしていた。
もし見られてしまったら、
目撃者を殺せば呪いは跳ね返ってこないとも言われているため、
目撃者は殺されてしまうこともある。
語り手は一呼吸おいて、
怨みをこめて力の限り
『コン!!!コンッ!!!コンッッッッ!!!』
と釘を打ち込んだことで、
目撃者がいたことが確認でき、
その目撃者を殺した。
ニュースに出てきているのが
その被害者である。
『あはははははは!』
と笑っているのがもうすでに狂気的である…
顔を潰したのは
記憶を全て奪い取りたかったからか…?
『きっともうすぐ…』
と言ったのは
目撃者が死んだことを確認することができたため、
近々呪いが相手に降り注ぐだろうということ。
狂気じみた笑いが本当に怖い…