僕たちは、イタズラ大好き、
嘘をつくの大好きな双子の兄弟、ボブとジミー。
いつもパパとママにイタズラをしかけたり、
嘘をついて驚かせては、叱られちゃうんだ。
今日もさっき2人でサッカーをしてて、
犬小屋を壊しちゃったんだ。
そりゃ、パパはカンカンさ。
「そこに木材とノコギリがあるから、
2人で協力して犬小屋を直しなさい!!!』
って、ものすごい剣幕で怒鳴られちゃった。
ボブ「しょうがない、ジミー。
悪いのは僕らだ。
なんとかして犬小屋を直そう」
ジミー「そうだね、ボブ。
まずは屋根から作ろうか」
ボブ「そしたら、この板は長すぎるから、半分に切ろうよ。
ジミー、僕が切るから押さえててくれる?」
ジミー「オッケー」
…
ママ「ねえあなた、ボブとジミーは犬小屋を直したのかしら?」
パパ「それが、まったくだ。
けしからん息子どもだよ。
しまいには『パパぁ~、腕切っちゃったぁ~』って嘘泣きするんだ。
しらじらしく一面ケチャップだらけにしおって。
しっかり自分の行動の責任を取りなさいと言ってきたよ」
ママ「あの2人の嘘やイタズラにも困ったものね…
あら?2人とも犬小屋の修理ほっぽり出して、
どこ行っちゃったのかしら。
しょうがない子たちね」
パパ「なんだと?
帰って来たらさらに罰を与えないとな!
今月の小遣いはなしだ!」
ママ「でも、まだまだ子どもねえ。
ケチャップと間違えてウスターソースを取っちゃったみたいよ。
さ、家に入りましょう。
あの子たちもおなかがすいたら帰ってくるわ」
【解説】
この双子の兄弟はいわゆる「オオカミ少年」であった。
昔から嘘をついては両親を困らせていたので、
両親は二人の言うことを信じなくなっていた。
そんなある日、
犬小屋を治している時に
二人は手を滑らせてノコギリで腕を切ってしまい、
血がたくさん出た。
しかし、パパは
『しらじらしく一面ケチャップだらけにしおって』
と言っているから、
「いつもどおりウソをついているのだろう」
と気にもかけなかった。
ママは
『ケチャップと間違えてウスターソースを取っちゃったみたいよ』
と言っている。
パパが見た時は『ケチャップ』
ママが見た時は『ウスターソース』である。
血液は空気に触れると酸化し、
赤黒くなってくるため、
ママは『ウスターソース』と間違えた。
色が変わっていることから、
この双子はウソではなく、
本当に血を流していることがわかる。
しかも、大量に血が流れている。
『2人とも犬小屋の修理ほっぽり出して、
どこ行っちゃったのかしら』
両親ともに二人のウソとしか思っていないため、
ケチャップ作戦は失敗と諦めて、
どこかに遊びに行ったと考えた。
しかし、子供達はおそらく病院に行ったのだろう。
一面ケチャップだらけというくらいだから
相当血が流れているはずだから。
近所の人に発見され、
近所の人に連れられて病院に行ったのかもしれないが、
パパが
『しっかり自分の行動の責任を取りなさい』
と言ったようなので、
自主的に病院に行ったようにも思う。
正直、このパパの一言、
『しっかり自分の行動の責任を取りなさい』
というのが、
パパに返ってこないだろうか…
と思うところ。
この双子が、
「血がたくさん流れてパパに助けを求めたのに、
パパはそれを無視したの」
などと言えば
「虐待しているのでは?」
なんて思われる可能性も。
もしかしたらパパは
双子が怪我をしたのに無視してしまった行動の責任を
とらされるかもしれない…