ぼくは探検家のボブだ。
昨日ある恐怖体験をしてしまって、
今は家で震えている。
その恐怖体験をみんなにきいてほしいと思う。
ぼくは一週間前、
ある山に探検しに家を出た。
その山には、
家から電車やバスを利用して6日かかる。
それから山頂まで登った。
昨日の晩にようやく山頂に着いた。
なぜここまでして山頂まで来たのか、
そう、眠っているのだ、お宝が…。
しかし、山頂に着くと女の人がいた。
なぜここにいるのだろうと思い、
声をかけてみた。
彼女はこちらを振り返った。
ぼくはびっくりした。
髪が長く、色白、目が赤くて、服は血まみれ…
幽霊だ…。
臆病なぼくは恐ろしくなり、
お宝なんか忘れて、
家まで逃げて来たんだ。
そして今日、
ぼくは恐怖のあまり家に引きこもっているんだ。
本当に怖かったよ…。
【解説】
『その山には、
家から電車やバスを利用して6日かかる』
『昨日の晩にようやく山頂に着いた』
とあるように、
行くときはきちんと6日かかっているようだ。
しかし、
『そして今日、
ぼくは恐怖のあまり家に引きこもっているんだ』
と帰りは1日で家まで戻っている。
恐怖のあまり全力で戻ってきた…
と言えるような早さでもない。
となると、
語り手はすでに死んでしまい、
霊になって戻ってきてしまったか?
彼女を見た時に殺されたのか、
はたまたその前にすでに死んでしまっていたのか…
どちらにせよ戻りの早さを見る限り、
もう人間ではなさそうである…