2134年
人類ガ最モ栄エタ年
科学技術ハ目覚シイ発展ヲ遂ゲタ
地球上カラ紙ト呼バレル物質ノ存在ガ消タ年デモアル
2145年
戦争勃発
我々ガ独立シヨウトシタトコロ、中国、ロシア、アメリカ、ヨーロッパ諸国、日本ガ抑エニカカッテキタタメダ
敵連合軍総勢3億人ガ一気ニ我ガ国ニ奇襲攻撃ヲ仕掛ケテキタ
コノ攻撃デ9000人モノ犠牲ガ出タガ我々ハ敵ヲ返リ討チニシタ
シカシ、我々許サナイ
9000人ノ犠牲者ノ命ヲ無駄ニハシナイ
2146年
戦争終結
結果ハ我々ノ勝利デアル
我々ハ敵国ヲ圧倒的戦力差デ打チ負カシタ
再ビ地球ニ平和ガ訪レタ記念スベキ年
マタ、世界カラ人トイウ字ガ消エタ年デモアル…
【解説】
語り手達が独立しようとしたら抑えにかかってきた国は
『中国、ロシア、アメリカ、ヨーロッパ諸国、日本』
とかなり力を持った国々である。
連合軍は3億人。
それをたった9000人の犠牲で返り討ちにした。
しかも、圧倒的な戦力差で
戦争はたった一年で終結している。
常識的に考えてこれは不可能。
『マタ、世界カラ人トイウ字ガ消エタ年デモアル…』
ということから、
語り手は「人」ではない。
『地球上カラ紙ト呼バレル物質ノ存在ガ消タ年デモアル』
から電子機器などの発展により
紙が必要なくなったのだと思われる。
となると、語り手はロボットなのだろう。
人類は自ら作り上げたロボットたちに滅ぼされてしまった。
…これからのAIの発達で
実際に起こり得ることなのだろうか?
現状はあくまでもSFの世界。
果たして今後どうなっていくのだろうか。
それにしても、このロボットは
『9000人モノ犠牲ガ出タ』
と自分たちのことを「人扱い」している。
もしかしたら、
まだ人が滅亡する前は
ロボットもまた人扱いしていたのかもしれない…