「この役者もう数年もやっているのに、大根よね」
演じている人だって必死なのに文句言うな!
「この政治家マニフェストを守らないのよね」
足を引っ張る奴らがいるからだろ、文句言うな。
家の母は文句ばかり言う、
ドラマを見てもバラエティを見ても面白くない。
自分で努力もしないで人ばかりこき下ろすなよな。
不愉快なんだよ。
何かをやり遂げるから人に文句や悪口が言える身になるんだよ。
「母さんが行方不明になってだいぶ立つな・・・。」
父はいつも母に尻に敷かれていたが
母の事は本当に愛していた。
しょげているところを見たくないのでドラマでも見る。
「あーあー、この主人公こんな殺し方をすれば
警察にばれるに決まっているじゃない
もっと上手くやらないと」
【解説】
語り手は
『自分で努力もしないで人ばかりこき下ろすなよな。
不愉快なんだよ。
何かをやり遂げるから人に文句や悪口が言える身になるんだよ』
と、自分がやったことのないことを批判するのを否定している。
にもかかわらず、
『あーあー、この主人公こんな殺し方をすれば
警察にばれるに決まっているじゃない
もっと上手くやらないと』
と、ドラマの主人公の殺し方を否定している。
ということは、
語り手は人を殺したことがあって、
なおかつ警察にばれていないということ。
その殺した相手は?
行方不明になったと思われている母親のことだろう。
母親の言動が見るに耐えなかったのだろうか・・・
それだけの理由で殺しなんて・・・と思うものの、
本人にとっては「それだけの理由」ではないことも・・・