これは数年前の話。
たまたま俺と彼女の長い連休が重なったので
車で旅行に行こうかって話になった。
日帰り旅行は何度かあったけど、
泊まりがけの旅行は初めてだったので
二人ともかなり興奮して、まだ外が真っ暗なうちから出発した。
そして、しばらく車を走らせていると
朝焼けを反射した日本海があまりにもキレイなので
近くのドライブインの駐車場に車を停めて
二人で眺めてはバカみたいに感動していた。
それからの2泊3日はずっと天気も良くて、
温泉に入ったり遊園地で遊んだりと
俺と彼女にとって本当に良い思い出になった。
それが俺と彼女との最後の思い出でした。
【解説】
楽しかった良い思い出の後、
『俺と彼女との最後の思い出でした』
で締めくくっている。
最後の思い出、ということは、
彼女は亡くなったのだろうか…?
と思ったのだが、
それについての記載も特にない。
『俺と彼女にとって本当に良い思い出になった』
と、お互いにとって良い思い出になり、
今もお互いにその思い出について話しているのだとしたら…
語り手はこの時にプロポーズをし、
彼女から婚約者へと変わったから、
『彼女』としては最後の思い出だった、
とかそういう話なのだろうか…?
そしたら、この話はただの惚気話ということになる。
…甘々な惚気話は、時としてものすごく怖い話に聞こえてしまいますけどね…
結婚へのプレッシャーをかけられている場合とか…
怖すぎて耳を塞ぎたくなってしまうはず…