船が転覆し、無人島で遭難した三兄弟の前に魔神が表れた。
『お前たちの願いを一つだけ叶えてやろう。ただし同じ願いは許さん』
長男『家に帰りたい!』
とたんに長男の姿は見えなくなった。
家に帰りたい以外の願いなどあるものか。
少し考えた後次男はこう言った。
次男『家の風呂に入りたい!』
次男の姿も見えなくなった。
次男はいい見本を示してくれた。
三男は考えた。
これなら家にも帰れるし、願いも同じではない。
三男『兄達に会いたい!』
【解説】
三男は家に帰るために
『兄達に会いたい!』
と願ったが、
魔神はこの願いに対して、
三男を長男・次男のいる家に送ったわけではなく、
長男・次男を無人島に呼び戻した。
会いたいと願うのであれば、
願った本人の元へ呼び寄せるのは
当然のことと言えよう。
「兄達がいるところへ行きたい」
と言えば良かったのだろうか?
三男がこのように兄達をまた無人島に呼び戻した結果、
果たしてどんな非難を受けることになるだろうか…
考えるだけで震えてしまう…