A美は椅子に縛りつけられていた。
そこに一人の大男がやってきて、A美を見るや否や、激しい暴行を加えた。
A美はただひたすら許しを求めたが、大男は無機質な目で延々と暴行し続けた。
大男の蹴りがA美のみぞおちに入った時、A美は嗚咽と共に気絶した。
A美がハッと目を覚ますとそこは教室だった。数学の授業中。
「なんだ、夢か…よかった」
A美がホッと胸をなでおろすと
「そんなに私の授業はつまらないかね?鈍感娘」
横にいた教師が嫌みったらしく言った。
慌ててA美が謝るとその誠意が伝わったのか、
教師はようやくA美の手の甲に突き刺していたコンパスの針を抜いた。
【解説】
『教師はようやくA美の手の甲に突き刺していたコンパスの針を抜いた。』
居眠りをしていただけで
手の甲にコンパスの針を突き刺していたとは考えにくい。
実際にやっていたのであれば、
確実に傷害罪で訴えられ、懲戒免職では済まされなくなる。
(訴える勇気がないような人を選んで行っているのであればそれはそれで怖いが)
となると、これは後半が夢で、
前半が現実と考えられる。
激しい暴行により意識を失い、
現実逃避に近い夢を見てしまった。