料理教室で先生がいきなりこう聞いてきた。
「皆さん、カレーの隠し味には何を使いますか?ちなみに私は『チャツネ』です」
「インスタントコーヒー」
「チョコレートシロップ」
「パイナップル」
「トマトケチャップ」
「ソース」
「醤油」
「蜂蜜」
いろいろ出てくる。
「やっぱり『愛情』じゃないでしょうか?」
一人の女性の言葉にどっと笑い声がおこった。
よく見ると彼女の両手の指にはいたるところに絆創膏が巻かれている。
なるほど、怪我しちゃう素人さんなら「愛情」で勝負するしかないでしょう。
【解説】
『彼女の両手の指にはいたるところに絆創膏が巻かれている』
なぜ両手に絆創膏が?
普通は利き手に傷はつかないのではないだろうか?
となると…彼女の言う『愛情』というのは、
彼女自身の”血”なのかもしれない。
血を入れながら黒魔術のように
美味しくなるように混ぜ合わせているとか?
想像すると呪われそうな気がする光景であるが、
本当に”愛情”を込めて美味しくなる、
と考えているだけなのだろうか?
何かしら裏があるのかもしれない。
それにしても、
『怪我しちゃう素人さんなら「愛情」で勝負するしかないでしょう』
という言葉は鼻で笑っているような
そんな受け取り方をしてしまった。
この語り手に少し恐怖を覚えてしまったのであった。