近所に有名な心霊スポットである廃ホテルがある
この廃ホテルの210号部屋には霊が出るという
俺は早速行くことにした
部屋内を一通り見てみたが特に変わったところはない
次はトイレだ
トイレのドアノブはすでに壊れなくなっていたが
ドアを押してトイレに入ることが出来た
しかしやはり特に変わったことはない
なんだ何もないじゃないか・・・
そのときだった、明らかに何者かの気配がした
急いでトイレから出ようとドアを引いたが全く動かない
そんな状況が何時間経ったかわからないがいつの間にか朝になっていた
気づいたらドアも普通に開いた
家にダッシュで逃げ帰ったあと、
さっきの状況を整理していた俺はとんでもないことに気がついてしまった
【解説】
『外側のドアノブが壊れている』
『内側は引き戸』
『明らかに何者かの気配がした』
つまり、外側で何かされているわけではなく、
語り手がいる内側に幽霊がいて、
その幽霊に邪魔されていることになる。
となると、数時間一緒に幽霊といたことに…。
「出ちゃダメ~!二人でいたいの!」
という意味合いで頑張って幽霊が
引き戸を押さえていたものの、
疲れて休憩していたら語り手に逃げられてしまった。
ということを想像したら
なんか和んでしまった。
というか、この語り手は
一人で心霊スポットに行ったのだろうか…