残業を終えた俺はクタクタになりながら、最寄り駅に着いた。
うんざりする程の長い上り階段…
横には一台のエスカレーターがあったものの、俺はあえて階段を選んだ。
階段を上る途中、エスカレーターで下る綺麗な女性とすれ違った。
当然、鼓動は高まった。
【解説】
『横には一台のエスカレーター』
『うんざりする程の長い上り階段』
『俺はあえて階段を選んだ』
一台のエスカレーターしかなく、
「あえて」うんざいする程の上り階段を選んだことから、
このエスカレーターも上りのはずである。
しかし、
『エスカレーターで下る綺麗な女性』
と上りエスカレーターで下っているのだから、
「何してるんだ、この人…」と鼓動が高まってしまう…。
エスカレーターを逆走することで痩せる!とか
そういう考えで下っているのか、
はたまた上りなのに気づかず、
「今日はなかなか下に行けない…」と思っている
天然さんなのか、
それとも地縛霊なのか…
真相はわからないが、天然っぷりを発揮して
上りエスカレーターを下ってる
綺麗な女性にときめいたのかもしれない。