それは広大な大地に、しっかりと根を下ろして大きく茂っていた。
ある日、化学物質が混じった雨が降り注いだ。
だが、それは雨の間ずっと耐え忍んだ。
雨は大地を流れ去っていった。
暫くして、熱く乾燥した暴風が襲い掛かった。
だが、それは暴風にもじっと耐えた。
雨・暴風にずっと耐え続けた。
更にある日、酸性雨が降り注いだ。多くの仲間が枯れたような色になった。
時を置かず暴風が襲う。だが、それは耐えた。ひたすら耐えた。
時の流れは残酷だ。栄養も足りなくなり、やせ細るようになった。
仲間もどんどん減ってきた。
生命力も尽きようとしている頃、また雨が降り注いだ。刺激臭のする雨だ。
相変わらず乾燥した熱波も襲ってくる。
また多くの仲間が喪われた。
殆どの仲間が消え、大地が不毛になった。
すると突然、空から命を持たないそれが大量に降って来て、大地を覆った。
【解説】
『大地』は頭皮。
つまり、これは毛髪の末期の状況が書きだされている。
暴風はドライヤーといったところか。
化学物質の雨はスタイリング剤
酸性雨は『多くの仲間が枯れた色になった』
というところから、色染め
刺激臭のする雨は育毛剤といったところだろうか?
結局育毛剤の努力もむなしく、
『すると突然、空から命を持たないそれが大量に降って来て、大地を覆った。』
つまり、カツラもしくは植毛を行ったのだろう。