僕は収集家だ。
だけど変わった物を集めている。
宝石箱。小物入れ。裁縫箱。
そう僕は、箱を集めているのだ。
人に話すと変わった趣味と言われるが、僕からしたら人形や絵を集めてる人の方が変わってる。
そして世界は広いもので僕と同じ考えの人と偶然出会って、今日、僕はコレクションを見せてもらいに彼の家に行くことにした。
なんでも彼は、『悪魔の箱』という人食い箱を持ってると言うのだ。
僕は半信半疑で、でも、同時に期待もしながら彼の家に足を向けた。
玄関の扉をノックすると彼は出てきた。
しばらく玄関で談笑をしていると彼は、
「いや中々に大変だよ?何しろ餌が人間だからね」と
笑いながら『悪魔の箱』にちなんだ冗談を言ってくれた。
「レディーファーストだよ」
とさらに冗談を重ねて、僕を部屋に入れたあと玄関の扉を閉めた。
「・・・ふぅ」
扉ごしに彼のため息が聞こえた。
【解説】
『僕を部屋に入れたあと玄関の扉を閉めた。』
『「・・・ふぅ」
扉ごしに彼のため息が聞こえた。』
から、彼は家の中に入っていない。
家自体が悪魔の箱だった。
しかし、疑問点が少しある。
『玄関の扉をノックすると彼は出てきた。』
とあるが、これは最初は家の中にいたと受け取れてしまう。
枯れは出てきただけで「玄関」からなどと書いていないから、
もしかしたら家の中にいなかったのかもしれない。
もしくは、
『僕を部屋に入れたあと玄関の扉を閉めた。』
とあるため、家全体ではなく、
とある一個の部屋なのだろうか?
もしかしたら家全体でも玄関だけは大丈夫なのかもしれない。
スッキリしないものであったけれども、
色々と考えれそうだったので掲載。