「よう!久しぶり!」
「久しぶり…ゴホ!ゴホっ!」
「どうした?風邪か?」
「ああ悪性のインフルらしい。今、家で寝てるとこ」
「インフルかよ。物騒だな。気をつけろよ」
「本当最近物騒だよ。近所では通り魔事件が多発してるらしいし」
「何だそれ」
「何でも突然部屋に入ってきて後ろからロープで首をギュッ、といくらしい」
「何それ。気付くだろ。普通。まあ俺なら即返り討ちにしてやっけどな」
「返り討ち?言うねー、そんなマジキチ相手に?」
「余裕っしょ!」
「マジでか。でさ………ゴっ!ごほっ!ゴホっ!ゴホおっ!!」
「おいおい大丈夫かよ?」
「………わりい。大丈夫大丈夫。風邪ひどくなってきた」
「大丈夫か。声変わってんぞ」
「ああ…ところで今度お前んち行きたいんだけどさ。道教えてくんない?」
「おいおい。何回も来たことあるだろ?」
「忘れちまった。住所教えてくれたら行くよ」
「しょうがねえな。XXXX町XXXX番地な。もう忘れんなよ」
「わかった。今度必ず行く」
「じゃ安静にな」
「ああ」
【解説】
まず、この話には3人の人が出てくる。
・主人公
・友達
・通り魔
実は、通り魔は会話中に「単語」として出てきただけでなく、
しっかりと主人公と「会話」をしている。
まず、友達はインフルエンザ。
家で寝ていて、主人公と電話をしている。
通り魔の話。
その途中に通り魔は部屋に入ってきて、ロープで友達を絞殺。
途中に友達は、激しくむせてしまう。
それがこの文章。
「マジでか。でさ………ゴっ!ごほっ!ゴホっ!ゴホおっ!!」
実はこの時、友達は通り魔から絞殺されてしまう。
そして、通り魔が電話に出る。
「………わりい。大丈夫大丈夫。風邪ひどくなってきた」
「大丈夫か。声変わってんぞ」
主人公は、インフルエンザの影響で声が変わったと思い込んでしまう。
その後、通り魔は主人公に住所を聞く。
主人公は、通話相手は友達と思っているのであっさりと住所を教えてしまう。
その住所を知った通り魔はもちろん・・・。