友達と二人で話してたら、
久しぶりに心霊写真を撮ってみたいと誰かが言い出したので、
近くの山道に惨殺事件があってからも
未だに取り壊されず残されてた民家があるので夜中に行ってみた。
玄関から居間、風呂場とトイレ、キッチンに父親の部屋、階段から二階へ行き、
子供部屋からベランダ、母親の部屋、階段を降りて一階へ。
最後に家をバックに一人ずつ。片っ端から写真撮って帰った。
んで今日。出来上がった写真を見て俺達は驚いた。
何も写ってないのだ。
もちろん俺達は普通に写ってる。霊的な物が何も写ってなかったのだ。
「・・おかしくね?」
「もう成仏しちゃったとか、じゃねぇかな?」
「やっぱそうなのかな。じゃあ、あそこ行ってももう心霊写真撮れないって事か。無駄だったなぁ」
「そうでもないよ。行く途中に結構周りから孤立してる民家、一軒あるから。次はそこ行こうぜ」
「おぉ!マジで?そこも廃墟?」
「んな訳ねぇじゃん。普通に人住んでたよ。今日の夜行こうぜ」
「おっけ、分かった。今の内に適当に準備しとくわ」
楽しみだ。かなり久しぶりだから何かワクワクする
【解説】
「父親の部屋」や「母親の部屋」というのは一度家に行った者でなければ分かり得ないことであり、主人公とその「友人」は普通ならばその事実を知るはずがない。
しかしながら、この二人は知っているのである。
口ぶりからは惨殺された家族の知人であるとは考えにくい。
そうなれば、考えられるのは1つである。
この二人が家族を惨殺したのである。
だからこそ、
「そうでもないよ。行く途中に結構周りから孤立してる民家、一軒あるから。次はそこ行こうぜ」
「おぉ!マジで?そこも廃墟?」
「んな訳ねぇじゃん。普通に人住んでたよ。今日の夜行こうぜ」
のような会話をしているのである。
そして、次は孤立した家で惨劇が起こるのだろう。
「友達と二人で話してたら、
久しぶりに心霊写真を撮ってみたいと誰かが言い出した」
の部分は二人で話していたにも関わらず、誰かが言い出すなど矛盾が生じているが、何か理由があるのだろうか?