私は金魚を飼っている。
最近は娘も年頃で相手にしてくれないし、
妻もパートだなんだって言って大抵家にいない。
休日家にいるのはこの金魚だけだ…
そのため私はとても金魚を可愛がった。
ある日の朝
いつものように世話をしていたときのことだ。
「なんだ?この置物は」
見覚えのない置物が水槽に入っていた。
それは家のような形をしている。
私はよく観察した。
中にはなんと人間のようなものまである。
非常に精巧にできたものだった。
私はどうしたものかと
水槽をぼんやり眺めていた。
「とりあえず餌でもやるか」
金魚はうれしそうに食べた。
下の方に落ちた餌を食べに行ったとき
金魚の体が家の置物に当たった。
私は気を失った。
【解説】
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