見てる…
今日も男はこちらを見ている。
道路を挟んだ向かい側のアパートの二階。
顔が出るぐらい開けられたカーテンの隙間から
じーーっとこちらを見ている。
今日も…また見てる…
――――帰宅途中―――――
友人に電話で相談をしながら家路についた。
電話片手に玄関のドアを開ける。
気になった私は、電気も点けず
カーテンを少し開け、男の部屋を見た。
暗くてよく見えないが、
確かにカーテンは開いていた。
「今日はもう遅いし、
明日にでも警察に相談してみたら?」
と友人に促され、
布団を頭からかぶり就寝した。
――――翌日――――
いつもとは違う騒音で目が覚める。
うるさいなぁ…と、
カーテンを開け外に目をやる。
向かいのアパートにパトカーと人だかり?
あれ?
あの部屋って…
警察官らしき人がカーテンを開け放つ。
なんだぁ…
私は一瞬肩を撫で下ろした。
【解説】
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