この山の崖は景色が良くてちょっとした名所。
展望台に出ると風が気持ちいい。
先には望遠鏡が設置されている。
自分の家はあっちの方角かな、
なんて考えながら近づくと同じタイミングで一人の男が近づいてきた。
「あ、お先にどうぞ」
『ありがとうございます』
男は身を投げた。
あの時譲らなければよかった。
全身に痛みを感じながら俺は後悔している。
【解説】
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僕は産まれた頃から幸せものだ。
沢山の家族に囲まれ過ごしている。
それは僕の家族だけと言うわけではない。
周りの人達も沢山の家族と暮らしている。
今日も隣の家の家族が一人増えた。
久々に会うらしく泣きながら抱き合っている。
そんな事はしょっちゅうある。
でも僕には不思議に思っている事がある。
今日は50歳ぐらいの男性だろうか?
僕に問いかけてきた。
「私は生きているんですか?ここはどこですか?」
と…
【解説】
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