六人の男女が集められた。
お互いに面識のない彼ら彼女ら。
目が覚めた時には巨大な秤(はかり)に乗せられていた。
三人が右側の秤に、三人が左側の秤に。
秤の下には鮫が泳ぐ水槽が。
秤の上には外に繋がる縄梯子が。
六人は各々考えた。
そして、考えの早かった者が行動を起こした。
生きて出られたのは二人だけだった。
【解説】
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俺は、今、海釣りに来ている。
小さな港の防波堤で
2本の釣竿をセットして引きを待つ。
仕掛けの長さを変えて、
あたりをみる…
そう俗に言う二刀流だ。
「つれますか?」
いつの間にか、
後ろにいた見知らぬ少女が話し掛けてきた。
夕日の逆光で顔はよく見えないが、
若い感じがする。
この近くに住んでる娘かな?
そんな事を考えていると、
少女が右手を上げて、
竿の方を指差した。
「みぎの竿、ひいてますよ!」
おっと!本当だ!
俺は釣竿を素早く掴むと浮きに合わせた。
「あはは!釣れましたね~!」
クーラーボックスの釣果を見て、
少女は笑った。
「なんてお魚なんでしょう?」
ん?
…漁港の娘なら、
自分の港で釣れる魚を知らないわけはないから、
この辺に遊びに来た旅行客かな?
「ねぇ聞きました?」
そんな事を考えていると、
少女は再び話し掛けてきた。
「このさきのえじまって所で、
死体が打ち上げられたらしいの。」
ああ!
朝、ここに着く寸前に、
珍しく数台のパトカーとすれ違ったのは、
その事故のせいかも?
「のろいのせいだって、
もっぱらの噂よ。」
え?
少女の台詞に我にかえって、
振り向いた時、
少女の姿は消えて…
…いたら、怖かったけど、
そんな事はなく、
漁村の方へ走り去っていく姿が見えた。
少女なりの怪談話をしてくれたんだろうか?
唐突過ぎて、
あまり怖く無かったけど(笑)
俺は釣りを続ける事にした。
【解説】
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