俺は悪魔に魂を売った
死ねば地獄行きだ
しかし、そのお陰で
あることが出来るようになったようだ
簡単に言うと
人の寿命を奪うこと
悪魔から全く説明を
受けてはいないが
自分の中の年数が
誰かと握手をする度に
増えていっていることが
手に取るように分かる
最初は３日だったものが
今では５０年!!
なんでもやりたい放題だ!!
それにしても、
奪った人みんな
寿命が短いのが気になるが…
まぁ良いか
…さて、
新しい趣味でも探すとしよう
ん？山登り…
楽しそうだな、やってみるか!!
…次のニュースです
昨日未明、登山客が
白骨化死体が転がっているのを
発見しました
鑑定の結果
死後５０年は経っているもようで…………
【解説】
語り手
『人の寿命を奪うこと』
ができるようになったと言っているが、
『悪魔から全く説明を
受けてはいない』
つまり、語り手はただ思い込んでいるだけで、
できるようになったことは別のことだった。
語り手ができるようになったことは、
「握手するたびに相手の死後発見されるまでの時間を奪い、
自分が死後発見されるまでの時間を延長すること」
なので、
『死後５０年』
が経過していた。
となると、
『最初は３日だった』
ということは、
最初でも死後３日は発見されなかったということ…
…しかし、一人暮らしをしていれば
発見されるまでに時間がかかることは
仕方のないことか…
『寿命が短いのが気になるが…』
数日とかの人が多かったら
「これから大災害が起きて犠牲になる人が増えるんじゃないだろうか…？」
なんて不安にならなかったのだろうか？
それとも、まさかみんな年単位だった…？
