【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】こんな未来どうですか?

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最近になってある商品が爆発的人気を誇っている

 

その商品の概要というのが
『感情を本人の意志に関係なく表に出せる錠剤』
というモノだ

 

一見すると
そこまで欲しいという欲は出てこないだろう。

 

しかしこういう事例がある

 

ある所に一人の男がいた

 

その男は昔から周りの人によく言われる言葉があった。

 

それは……

『あんたって感情ってモノがないんじゃないの?』

初めて言われたのは
この男が小学四年生の時だ。

 

クラスで飼っていたウサギがある日寿命だったのか
突然息を引き取った

 

当然クラスは悲しみに包まれ、
涙する生徒が多数いた

 

しかし、この男は
悲しい顔を一切しなかった……

 

いや、正確には
悲しいという感情を
表に出せなかったのだ

 

恐らくクラスでたった一人の飼育係であった男は
誰よりも悲しかったはずだ……

 

ただ、そういった感情を表に出すのが苦手なだけ………

 

なのに、
何も知らない周りの生徒はそんな事知る由もなく
口々に呟いたのがさっきのセリフ

 

『あんたって感情ってモノがないんじゃないの?』

 

再び商品概要に戻るが
このような人が
男女問わず世界には数多いる。

 

そういった人達にとっては
最初に述べた薬は大変便利なモノなのである

 

青色の錠剤を飲めば
まったく面識のない場違いな他人のお葬式に参列した時でも……
まるで大切な人を失ったかの如く悲しい気持ちになり
大粒の涙を流せる

 

黄色い錠剤を飲めば
まったく面白くもない
会社の上司が放つ核兵器並みのギャグも
腹がよじれるぐらい大笑いする事が出来る

 

今では喜怒哀楽様々な
効果を持つ錠剤が開発され
世界中の人々に愛用されているようだ

 

そう………

 

人々は最早、
この薬ありきでしか『感情』を
認識出来ないのであった

 

しかし、発売から
しばらく経ったある年

 

感情コントロール錠剤の制作会社は
錠剤を作ることをやめた

 

それからまたしばらく経つと
あれ程までに世界中にあった錠剤も数をへらし
今では見ることもなくなった

 


さてさて
これから人類は
どうなっていくのでしょうか………?

 

最後になりますが
わたくし名もない
『語り手』から皆様に
一つご質問があります

 

『あなたはこんな未来どうですか?』

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『感情を本人の意志に関係なく表に出せる錠剤』

を長年使い続けたことによって

『この薬ありきでしか『感情』を
認識出来ないのであった』

 

そこで会社が薬の生産を中止したため、

今まで薬によって表現していた感情が混乱してしまった。

 

感情を表に出せなくなる人もいるだろうし、

笑っているのに表に出している感情は怒っていたり、

怒っているのに表に出している感情は泣いていたりなど

どの感情を表に出すのかわからない状態に…

 

 

全ての人がこんな感じであれば、

相手の感情が全く読めないので

会話するのもなかなか大変なように思うが、

実際にこうなってみると意外とそうでもなかったりするのだろうか?

 

少なくとも私としては

こんな未来は嫌である。