【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】旧友がやって来る

スポンサーリンク

一言で言うとマズい。

 

自宅警備員と成り果てた俺の家へ旧友がやって来るらしい。

 

らしい、というのは勝手に登録されたLINEから一方的に知らされ、
既読スルーで対応しているにも関わらず、
奴は着々と準備を進めているのだ。

 

全く迷惑な話だ。

 

当日には是非とも居留守を使わせて頂きたい所存ではあるが、
生憎と俺は意思が弱い。

 

奴のエンドレスインターフォン攻撃を受けたら
いずれ応対してしまう事うけあいである。

 

妥協に妥協を重ねて俺の白く輝く職歴がバレるのはまあいいとしても、
両親の冷たい視線と
惨劇と呼ぶに足る俺の部屋を見られるのは何としても避けたい。

 

そんな訳でここ最近の俺は自宅清掃員へとジョブチェンジを遂げ、
ゴミやフィギュアやティッシュやらやらを絶賛処理中なのである。

 

しかしながらやはり俺の意思は弱く、
一部R18指定丸出しのブツを捨てるというのはこれが中々精神的に難しいもので、
いよいよ持ち上げた重い腰も虚しく、
隣町へ隣県へと足を運んでもコイツらを捨てる事は叶わなかった訳で。

 

現在では綺麗に片付けられたが
故に逆に濃厚且つ芳醇な存在感を放つ異物どもをどう処理してくれたものかと、
俺は今日も頭を抱えながら苦悩しつつ
両親の視線に耐えてその脛にむしゃぶりつく訳である。

 

一言で言うとマズい、非常にマズいのである。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『いよいよ持ち上げた重い腰も虚しく』
『隣町へ隣県へと足を運んでも』

これは死体遺棄の行動。

 

つまり、語り手は

『両親の冷たい視線』を避けたいがために

両親を殺し、遺体をバラバラにした。

 

しかし、

『コイツらを捨てる事は叶わなかった』

とあるように、遺体をバラバラにしたものの、

処理に困ってしまった。

 

そのため、

『その脛にむしゃぶりつく訳である』

と、遺体を食べることにした。

 

その感想が、

『一言で言うとマズい、非常にマズいのである。』

であり、

「遺体は不味い」と言っている。

 

 

両親から冷たい視線を送られるのが怖くて

両親を殺してしまった語り手も怖いが、

一方的に語り手の家に来ようとする旧友も怖いのだが・・・。

 

既読スルーはOKということ、

という認識なのだろうか。

 

『奴は着々と準備を進めているのだ』

語り手の家に行くのに着々と準備を進めていることを報告する?

 

遺体遺棄の流れがあり、

『隣町へ隣県へと足を運んでも』

とあることから、

旧友が来るのは当日のことではないだろう。

 

にもかかわらず、

準備を進めていることを随時連絡・・・。

 

なんとなくこの旧友にも危ない香りを感じてしまう。