【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】蛇の夢

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俺は子供の頃よく同じ夢を見ていた。

 

それは

 

「黒い蛇が白い蛇を吐き出し
白い蛇が赤い蛇を吐き出す」

 

といった物だった。

 

でもある日突然ぱったりとその夢を見なくなった。

 

自分自身特に気にしていなかったので
その夢はいつの間にか記憶の隅に追いやられていた。

 

大人になったある日
仲間から「肝試しに行こう」と誘われた。

 

着いた場所は森の奥の廃病院で
いかにもな感じのところだった。

 

そんな所だとは知らず
俺はその日白いTシャツに短パンだったので
歩いている間にずいぶんと蚊にさされた。

 

そして肝試しの内容だが
じゃんけんで負けた奴から順に中に入って
各階を一周して戻ってくるというものだった。

 

一人目が行った。
しかしなかなか戻ってこない。

 

心配した二人目が行った。
彼も戻ってこない。

 

次に俺が行った。
夜だと言う事もあって目の前も後ろも真っ暗だった。

 

なんとか懐中電灯の明かりを頼りに進んではいたが
一階・二階・三階と進んで行くうちに
いつのまにか自分がどこにいるのかすら分からなくなった。

 

だんだんパニックになってきて無我夢中で走った。

 

すると目の前に「非常口」と書いてある扉が目に入った。

 

「あそこから出られる!!」

 

そう思って扉に手をかけた瞬間
なぜかあの夢を思い出した。

 

勢いよく開けようとした扉を
一呼吸置いてからゆっくりあけた。

 

広がるのは一面の闇だった。

 

俺は下を見る。

 

ああなんだ。そうゆうことだったのか。

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

非常口の扉を開けた先は一面の闇で

語り手が下を見てみたら何かに気付いている。

 

扉を開けてそのまま下を見ているということは、

非常口にも関わらず、

本来あるべきはずの階段がなかったのだろう。

 

となると、勢いよく扉を開けていれば

語り手は三階から真っ逆さまに落ちていたことになる。

 

語り手は『夢』を思い出したために

少し冷静になり、

一呼吸置いてからゆっくり扉を開けることができた。

 

では、その『夢』とは?

 

『黒い蛇が白い蛇を吐き出し
白い蛇が赤い蛇を吐き出す』

ということだが、これは

「一面が闇に覆われたところから白い服を着た人(自分)が飛び降り

赤い血を吐いて(もしくは体から噴き出して)死んでしまった」

ということだろう。

 

なので、語り手は夢に救われた形となる。

 

先に肝試しに向かった人たちは

この非常口から飛び降りてしまったのだろうか?

 

 

ただそれよりも気になるのは

黒い蛇と赤い蛇の夢から

このようなことが連想できるのか?

ということ。

 

実際は

「一面が闇に覆われたところから白い服を着た人(自分)が飛び降り

赤い血を吐いて(もしくは体から噴き出して)死んでしまった夢」

を語り手はかっこよく(?)

『黒い蛇が白い蛇を吐き出し
白い蛇が赤い蛇を吐き出す』

と表現したのかもしれない。

 

となると、語り手は厨二病と呼ばれてもおかしくない存在だったのでは…?

なんて思ってしまう。