「私の彼がね、最近おかしいの」
「どういうこと?」
「私の知らないお店や見てない映画を一緒に行ったって言い張るの」
「それ二股だよ」
「やっぱりそうだよね。でも彼が嘘ついてるように見えない」
「じゃあふたりで尾行してみよう」
「え、でも・・・」
「こういうことはハッキリさせなきゃ」
「うん、ごめんね、こんなことにつき合わせちゃって」
「気にしないで。私たち偶然出会った幼い頃生き別れた双子なんだから」
次の日彼を尾行した。
「あの女の人誰?」
「知らない・・・でも・・・」
「あなたとそっくりね。きっとドッペルゲンガーだわ」
【解説】
この会話に出てくる二人は
『偶然出会った幼い頃生き別れた双子』
なのだが、
『あなたとそっくりね。きっとドッペルゲンガーだわ』
と言っている。
ということは、
この二人は一卵性双生児ではないということか?
ただ、そもそもこの二人は本当に生き別れた双子なのだろうか?
もしかしたら、彼と一緒に歩いている女の人が
本当の一卵性の双子なのかもしれない。
となると、
『私たち偶然出会った幼い頃生き別れた双子なんだから』
と相手に無理やり言いくるめられたのかもしれない。
しかし、そうなると
なぜ本当の生き別れた双子が
彼と一緒にいるのか、ということになる。
彼が間違えて生き別れた本当の双子に声をかけ、
その彼に惹かれてしまったために付き合いを続けている?
会話に出てくる双子(?)が
本当の双子ではないのだとしたら、
なぜ近づいてきたのか。
そして、ドッペルゲンガーではなく、
本当の双子、もしくはただ似ているだけだとしたら
何のために素性を隠して彼と付き合っているのか?
謎な部分は多いが、
「私」にとっては前途多難だろう。