じゃぁここで一つ、俺の甘酸っぱい思い出を聴いてくれ。
俺がエロガキだった頃、確か中2くらいの時の話だ。
ある日の学校帰り、俺の膀胱は限界に達していた。
仕方なく、近くにあった公園のトイレに寄ることにしたんだ。
すわ、と駆け込もうとしたときトイレのドアが開いて、
中から背の高い、きれいなお姉さんが出てきた。
お姉さんは俺と目が合うと、恥らうように微笑んで走り去って行った。
俺は(あんなキレイなおねぇさんの後だなんて、ラッキィ♪)なんてことを思った。
そして、軽く胸躍らせながらトイレに踏み込んだ瞬間、
顔に蜘蛛の巣がベタリと張り付いた。
いきなりのことでビックリした俺。
ちょっと漏らしちまったよ…orz
【解説】
背の高いきれいなお姉さんが個室に入っていたのに、
なぜ顔に蜘蛛の巣がベタリと張り付いたのだろうか?
きれいなお姉さんはこの世のものではなかったのだろう…。
それにしても、この語り手は
きれいなお姉さんが個室から出ていったことを
さも当たり前のようにしている。
となると、『俺』と言ってはいるものの、
女性なのだろうか。
だが…
『俺がエロガキだった頃』
『お姉さんは俺と目が合うと、恥らうように微笑んで走り去って行った』
と書かれていることからも、
語り手はわざと女子トイレに入っただけという可能性が高い。
蜘蛛の巣が張っているため、
お姉さんはこの世のものではないだろうが、
女子トイレに中2の男の子が入ってきたため、
ちょっと焦ってしまった幽霊のお姉さんということか…。
中2にもなって当たり前のように女子トイレに入ってくるのは
さすがに怖いところがある。